2010/10/09

MSワードで英文タイプ その1──Small Caps

現在、ほとんどの方がMicrosoftのワードを使用して文書を作成されていると思います。このMSワードでも、ビジネス文書レベルであれば、ある程度きれいに英文のTypesettingをすることが可能です。ここでは英文タイプ処理の1つ「Small Caps」の表示方法をお伝えします。Small Capsは、時間を表す「a.m./p.m.」、年代を表す「b.c./a.d.」などに使います。下図、一番上が小文字、真ん中が大文字、一番下がSmall Capsです。

MSワードではSmall Capsのことを 日本語で「小型英大文字」と呼んでいます。Small Capsにしたい文字を選択して、「書式」→「フォント」でメニュー画面を開き、中段くらいにある「小型英大文字」にチェックを入れるとSmall Capsになります。

よく使う場合は、ツールバーにアイコンを入れてしまうととても便利です。「表示」→「ツールバー/メニューのユーザー設定」でメニュー画面を開き、左側の枠内から「書式」を選択、右側の枠内をスクロールし「小型英大文字」を選択。そのままドラッグして、ツールバーに入れます。下記のムービーを参考にしてください。



Small Capsは、欧文フォントが持っている字体のひとつで、大文字(All Caps) よりもやや小ぶりの大文字の形をした文字です。実際の欧文組版をする際は、その書体が持っているオリジナルの字体を使います。MSワードでは、フォント内の字体を変えているのではなく、大文字を少し小さくしているだけですので、少し文字が痩せた感じになりますが、ビジネス文書や資料などでは、十分に活用できる機能です。

2010/08/15

Harry Potter英文版書籍のFont

音楽ブログ「Essence of Your Soul」で、英語力向上のために「Harry Potter」の英語版を読破する宣言をしたのが2007年9月(http://bit.ly/deWHvR)、あれから約3年経ちましたが、マイペースながらも映画公開の前になんとかその巻を読み終えるというペースで、現在7冊目の最終巻中盤まで到達しました。この冬の映画公開までに、何とか最後まで読破したいです。

この英文版Harry Potterで使用されているテキストのfontは「ITC Berkeley Old Style」です。 Berkeley(バークリー)の特徴は小文字の「e」の真ん中の線が右上がり斜めになっているところです。また、数字の「7」にも特徴があり、個人的には魔法使いの帽子や、魔法の杖が描く弧、さらにはHarry Potterの額の傷を思い出させる「7」だなと、楽しい気持ちになります。

この「e」の特徴を持つ書体は他にもあります。私が仕事でよく使う「ITC Giovanni」も「e」の形がよく似ていたため、初めはGiovanniと勘違いしました。しかし「7」は全然違います。

また、決定的な違いは、クウォーテーションマーク、アポストロフィー、コンマなどのPunctuationのマークです(以下の例だと「P」の違いもよくわかります)。


ITC Berkeley Oldstyleは、1938年 Frederick Goudy氏によるデザイン、その後Tony Stan氏によりデジタル版として復活したフォントです。
ITC Giovaniは、1989年 Robert Slimbach氏によるデザイン、コンピュータでもきれいに表示されるように工夫されているフォントです。
どちらも英文本文組版に向いています。
 (参考:Fonts.com

2010/07/27

デザイン関連のブログはじめました。

みなさん、こんにちは。Soul Singer Rose として活動している、コン トヨコです。ミュージシャンとしてのみWeb展開していましたが、現在、人生の半分以上を占めているデザインの仕事に関する情報も発信・共有できればという思いから、デザイン関連のブログも始めました。15年以上の欧文Typesetterの経験で得た知識の中に、もしかしたら、みなさんにも役立つ情報があるかと思いました。InDesignと欧文組版についてのノウハウなど、情報の発信・共有をできればと思います。

思えば、音楽活動の下積みとして、食べるためなら仕事は何でもいいから…ということであちこち仕事をしているうちに行き着いた、Typesetter、エディトリアルデザインの仕事。こちらも音楽に負けないくらい深い世界です。

どちらの世界も楽しんでいただければと思います。